日本列島の甲虫全種目録 (2023/2024年)


2023年版から2024年版「日本列島の甲虫全種目録」への切り替えを始めました(2024年2月14日)


1984-1986年に保育社から約6000種を掲載した原色日本甲虫図鑑(I-IV)が出版され、アマチュアの甲虫愛好家にとっては、採集した甲虫の種名を調べる際のバイブルとなりました。さらに 1989年に九州大学と日本野生生物研究センターによって、当時までに知られていた日本産のすべての昆虫をまとめた「日本産昆虫総目録」が出版されました。

 

 21世紀になり、日本産の甲虫に関する大型図鑑や、各種図説の発行が相次いでいます。写真技術の発達や、デジタル化によって、美しく精緻な標本写真と最新の情報による学名和名を知ることができるようになりました。これは、アマチュアの虫屋にとって採集した甲虫の同定がたやすくなることで、まことに喜ばしいことといえます。しかし、こうした図鑑に取り上げられる種類はオサムシ、タマムシ、ゴミムシダマシ等大型で愛好者が多い分類群に偏りがちです。ゴミムシ、ハネカクシ等の図鑑や図説はなく、多くの分類群でまだまだ保育社の図鑑に頼らざるを得ない状況が続いています。

 

2005年頃から甲虫の正しい学名や和名をまとめた新しい甲虫の総目録がほしいと思ってきましたが、保育社の原色日本甲虫図鑑の発行から30年以上がたち、その間、毎年多くの新種が記載されるとともに、分類学上の変更がなされてきました。その結果、新しい図鑑や図説に取り上げられた分類群についてさえ、学名と和名を正しく知ることがますます困難になってきています。

 

日本昆虫学会から日本昆虫目録(全9巻)の刊行計画が策定され、2013年から現在まで4巻分が発行されました。しかし、肝心の第6巻の鞘翅目の完成はまだまだ先の状況のようです。

 

「日本産甲虫全種図鑑」の発行は個人の力ではどうにもなりませんが、現在使われている学名と和名、さらに分布をまとめることは不可能ではないでしょう。また、原色図鑑に掲載された甲虫について、今どういう種名が使われているかを示すことは、アマチュアの調査活動に役立つものになるはずです。

この目録の中には、おおくのミスがあると思います。プロの方々をはじめ、アマチュアの方々も気づかれたことをお知らせください。より使いやすく、正しい目録にしていきたいと思います。

 

このウェブページが、今後日本昆虫学会から発行される第6巻「鞘翅目」のたたき台になることを期待しています。

 

2017年5月 鈴木 茂